住宅の耐用年数
住宅の寿命
総務庁の調査による住宅寿命の国際比較では、イギリスが141年、アメリカ96年、フランス86年、ドイツ79年になります。欧米では耐震性を考慮する必要が無く、長期耐久性が重要視されるため、このような長寿命の家が多いのです。
これに対して日本の住宅の建て替え周期は、30年でしかありません。日本では耐震性に主眼が置かれ、耐久性は2の次にされてきた結果といえます。日本の住宅は、非常に高価であるにもかかわらず個人財産としても社会資本としても全くの消耗品になっているということです。
しかし最近、住宅の長寿命化、高耐久化が叫ばれ、従来のスクラップ・アンド・ビルドからの脱却が強く叫ばれるようになりました。その背景には、建築に使用される資源の浪費、廃棄物の拡大などの環境への影響が憂慮されるようになったことと、バブル期以降の大幅な経済減速による建築投資の減少があります。
住宅の耐用年数は、物理的耐用年数と機能的耐用年数のどちらか短いほうで決まります。一般的には、機能的耐用年数の方が短いとされています。
木造住宅の場合、物理的劣化の原因はカビやシロアリによる構造部の生物劣化です。ですが、これらはちゃんとしたメンテナンスをすれば、50~100年の耐用も可能です。ただし、その間に地震や風水害などに見舞われると事情は一変します。
一方、機能的耐用年数は非常に短くなっています。例えば、新婚夫婦の場合、小さい子どもがいる場合、子どもが独立して夫婦2人になった場合などに応じて、必要な住宅の機能はかなり変わってきます。
つまり、住宅の寿命は建物としての家は手入れ次第で50~100年も可能でも、住みたい家であり続けるためには、その機能が可変的であることが不可欠なのです。可変性のない、単なる物理的高耐久性の家では、ほとんど意味がありません。