免震ゴムの耐久性
60年の耐久寿命
免震ゴムの優れた特性のひとつに、長期耐久性とメンテナンスフリーがあります。一般に、コンクリートビルの耐久寿命は60年と言われます。そうなると、免震ゴムにも同じ60年の耐久性が求められます。
では、そもそも免震ゴムの耐久性とは何でしょうか。言うまでもなく、どのような工業製品も、そのまま冷蔵庫の中に入れておくだけでは半永久的に変化しません。
その製品をある実際の使用環境の下で、ある必要な負荷を加えた状態で使用するので、ある時間後には最早、それ以上使用できない状態になります。当然、使用する環境条件が厳しく、負荷が大きいほどその製品の寿命は短くなります。
免震ゴムの耐用年数を考える場合、まず負荷条件としては、免震ゴムは常に建物による垂直荷重を支えており、地震時には建物を背負ったまま、水平方向に繰り返し大きく変形します。
この負荷により、免震ゴム内には大きなひずみや応力が発生します。その結果、免震ゴムの内部では少しずつ破壊が進んだり、横方向の硬さが変化したりします。
免震ゴムの場合、負荷による変化としてもうひとつ、クリープが起こります。これは、常に大きな垂直荷重を支えているため、免震ゴムが少しずつ沈み込む現象であり、へたりとも言われます。
大きなクリープは建物の垂直方向の沈下を引き起こし、最悪の場合、建物全体が不均等に沈み込む不同沈下をもたらします。環境条件としては、大気中に置かれるゴム材料は酸素やオゾン、紫外線と反応することにより、表面から少しずつ破壊が進行したり、水平剛性も変化します。
以上の2つの条件下における経年変化により、免震ゴムも性能は低下し、やがて最初に定めた設計基準の下限値以下になってしまうのです。
免震ゴムの長期耐久性は、特に日本では免震ゴム開発当初から不可欠の項目とされました。そして寿命60年の免震ゴムが開発されたことで、免震ゴムが真に実用的免震装置になったのです。