免震ゴム
免震ゴムの特性
建物をある種の装置の上に載せることによって、水平方向には小さい力でも動くようにした構造体が免震建築です。このような免震の考え方は、100年以上も前に提案されており、最初のアイデアは建物を丸太や雲母板のような滑りやすいものの上に載せるというものでした。
しかし、この方法を建物に適用した場合、地震の揺れが大きくなると、建物の動く距離が非常に大きくなり、なおかつ動いた後はそこに止まったままになります。こうなると、地震後には建物が隣の敷地に移っていたということにもなりかねません。
この問題を解決したのが、1970年代にフランスで登場した免震ゴムです。免震ゴムはゴムと鉄板を交互に数十層積層し、接着させたサンドイッチ構造体で「積層ゴム」とも呼ばれます。
免震ゴムの最も優れた特性は、水平方向には非常に軟らかく、垂直方向には建物を支えても沈み込まない充分な硬さをもち、変形後には建物を引き戻すバネの働きをするという点にあります。
上下方向には効果はない
しかし免震ゴムは原則として、上下方向には軟らかくせず、上下方向の地震動に対しては免震効果はありません。これは、一般に地震では上下方向の震動は水平方向の5分の1~10分の1程度と小さいことに加えて、全ての建物は上下方向には非常に強くできているため、地震の上下動では破壊されないからです。
もしも、上下方向も免震化するために免震ゴムの上下方向の硬さを軟らかくすると、長期間建物を支えている間に、免震ゴムは垂直方向に大きなクリープ現象(へたり)を起こします。
また、地震時には建物がロッキング(上部のムチ振り現象)を起こして踊りだす危険性があります。そういった理由で、水平方向にだけ免震化されているのです。