1階が駐車場の住宅
壁も柱もない開口部に注意
日本は高温多湿の気候なので、元来、住宅は風の通る開放的な造りをしていました。南側に大きな掃き出し窓があり、和室の続き間があるような典型的な純和風の住まいは建具の数も多く、その分壁の量が少なく造られています。
ですが耐震性はバランスのよい壁の配置と壁の量がポイントです。これまでの純和風の住まいのように壁が少なく南側に大きな開口部があると、建物全体の壁のバランスは大きく崩れます。
阪神・淡路大震災では、道路面の1階に店舗併用住宅も多く倒壊しました。店の入り口側には壁も柱もなく、まったくの開口部で、南に大きな窓のある和風住宅と同じことです。これほどバランスの悪い建物はなく、地震で大きく動く水平力に対抗する術はありません。
使い勝手と安全は矛盾することも
近頃、狭い敷地の有効利用をはかり、1階を駐車場にした3階建ての家がありますが、車をスムーズに出し入れするために1階の正面は壁がなく、大きな開口部となっています。 分譲住宅では間口を狭くして奥行きの長い間取りに無理やり駐車スペースをとっているのも気がかりです。
現行の耐震基準をクリアするためには、1階に開放空間を造るかわりに、ほかの耐力壁で補強はされているはずですが、それでもこうした構造の建物はバランスが悪く、不安は残ります。
地震の横揺れに対しては、建物の壁はバランスよく強い壁が多ければ強く、少なければ弱くなることはわかっています。家の使い勝手と安全は矛盾しあう面もあるようです。